レストランに行って、前菜にフォアグラが出てくると喜んでしまうのはなぜでしょうか。
特有の匂いを好むのか好まないか、またあのねっとりとした食感に好き嫌いがはっきり分かれてしまうと思います。
私は・・・フォアグラ好きです。食べ比べを密かに楽しみいしているくらいに好きです。
ものすごく美味しいのもあるし、時にはそうでない場合もありますが、何事も経験と思って食べることにしています。ちなみにそうでない場合の多くは獣臭が強い場合ですが、目尻に涙が浮かびます。
不思議なもので、少しクセがあるほうがフォアグラを食べてる気がして美味しいと思うのですが、まったくフォアグラ臭のないものもそれはそれですごいなと思うのです。テクニックでフォアグラ臭を感じさせないようにしているのですから。
最近印象に残っているフォアグラ料理をざっと取り上げてみますね。
レストラン サンパウ
鴨の生ハム、フォアグラのマリネ、山椒、プルーンのピュレ
食べた食後の感想は『極薄くスライスした鴨が甘味の強いフォアグラを包んでいます。山椒の香りと刺激、プルーンのほの甘いソース添え。冷たくシャリシャリしたラディッシュがよいアクセントになっていますが、長方形の小さな白いものが干した大根のピクルスっぽくて印象に残っています。』となっています。
確かに今思い出しても上質で滑らかな口当たりでした。フォアグラ臭無し。
ディファレンス
レモンパイ
このフォアグラは驚くほど軽く、フォグラ臭のないものでした。口に入れるとフォアグラだとわかるのですが、言われないと経験値の低い人は気がつかないかもしれません。軽い泡のようなメレンゲの下にふわっとした雪のように脆いフォアグラムースが潜んでいるというものでした。支えるタルト生地もほのかにレモンの酸味が影響してあっさりと口にはいっていきました。
L'EVOL
フォアグラのEvolution ver4 "桃”
かなりねっとりとした質感があるのにキメの細かさでとても優しく溶けていきます。ややフォアグラ臭ありなので、フォアグラ好きにはたまらない美味しさを感じます。赤桃のソースの酸味がよく合っていました。
シェフの説明によると、ある日本酒を飲んだ時にこのフォアグラとのマリアージュを閃いたということで、ワインのペアリングコースを頼んだ人にはその日本酒が注がれていました。今時の日本酒、正確には清酒はワインを思わせる飲み口のものもあるので、それもありでしょうと思います。
確かにフォアグラには絶対に赤ワインということはなく、これなら白ワイン欲しいなというものもありますから清酒もOKかと思います。
クイントカント
ワッフルとフォアグラのミルフィーユ レモン風味
ちゃんとしたサービスのお店を希望して訪問したお店です。お皿手前のベージュ色の四角いのが、ウエハースを連想させるワッフルのミルフィーユにフォアグラを挟んだものです。すごく軽い食べ味で、フォアグラを前面に押し出さずに、飲み込んだ後にふんわりと余韻を残すという最初のお皿としては魅力的なものでした。
Altura
フォアグラとピスタチオ
アメリカのヨーロッパ料理も上等なお店が多くなって、ザガットサーベイで検索して興味をもったAlturaというレストランの前菜です。指でつまんでぱくっと食べることができる可愛いサイズのフォアグラとピスタチオの一品です。
小さいけど存在感があり、丁寧な仕事をしたというのがわかる優れものの前菜でした。
リョウヤ・ステファン・パンテル
フォアグラの大根奈良漬巻き
京都のこの店のシグニチャーと言える奈良漬で巻いたフォアグラです。しっかりとした味があり、ねっとり感がかなりあります。存在感があるのに滑らかで、フォアグラを堪能できた一皿でした。訪れた2年前にはダントツ1位に君臨したフォアグラです(私の中では)
エッサンシエル
フォアグラ載せブリオッシュ オレンジのジャム
最後に紹介するのは大阪・淀屋橋にあるエッサンシエルというフランス料理店のフォアグラです。
ブリオッシュを軽くトーストし、ブリオッシュを同じくらいの厚さに切ったフォアグラを乗せ、濃いオレンジジャムをたっぷり塗ったこの前菜、量もたっぷりあるのにいくらでも食べられそうという軽さです。
質感もちゃんとあるのに軽い!軽いのに満足感があって、一口、もう一口と食べ進み、おかわりしたいなぁでもはしたないなぁと真剣に葛藤しました。塩味が控えめで好みだったのだと思います。今思い出しても喉がごくりと鳴りますよ。
飼育によってガチョウ、鴨、アヒルの肝臓を肥大させたもの。脂肪含有量は60%以上になる。 代表的な料理法はテリーヌとステーキで、テリーヌの作り方は3種類です。
もう一軒、ニューヨークの『MAREA』というイタリアンレストランで食べたフォアグラもたいそう美味しかったのだけど、写真がないのが残念です。
いかがでしたか?印象深いおすすめのフォグラ料理だけを紹介しました。この他にも食べてるのだから、ちょっと食べすぎかな?
たくさん食べているからフォアグラの美味しさもわかってきたように思います。
ねっとり感がしっかりあるのが良いのか、それとも軽くて香りがないほうが食べやすいから良いのか。あまり香りの強いものは苦手ですが、フォアグラの場合はある程度の量や味の濃さ・クセがあるほうがらしいと思います。
特にフォアグラは自分で調理する機会がないので特別なものとなっています。お店毎に、またシェフ毎に味つけや手法が違うので、とても楽しみな前菜の数々でした。